高速道路は、目的地へ早くたどり着ける手段として多くの方が利用しています。
その際、うっかり目的地を通り過ぎてしまった経験はありませんか?
実はそうした理由で、高速道路を逆走してしまうケースが相次いでいます。
今回は高速道路の逆走の危険性と、万が一目的地を通り過ぎてしまった際に使える特別転回について書いてみようと思います。
高速道路逆走の危険性
ではまず、高速道路を逆走するとどんな事が起こるのか考えてみましょう。
高速道路では、多くの車が時速80キロ以上の速さで走っています。
もし逆走車が走ってきた場合、お互いの速度がプラスされるため、逆走車に気づいた時には回避がとても難しくなります。
回避が間に合わない場合、正面衝突になる事も多いため、お互いの車のドライバーや同乗者が死亡する事故につながるリスクがとても高まります。
どうにか回避できたとしても、急なハンドル操作によって車体のバランスを崩し横転したり、路肩に激突したりする恐れもあります。
さらに、そうして逆走車を回避した車や接触した車に巻き込まれてしまうこともあります。
このように、高速道路を逆走することは法律でも禁止されている、大変な危険を伴う行為なのです。
「少しぐらいなら逆走しても大丈夫だろう」という軽い気持ちを持たないようにしましょう。
高速道路の逆走はなぜ起こるのか
上記のように危険が多い高速道路の逆走、じつは年間で約200件ほど起こっており、原因は様々あります。
まずドライバーがうっかりして起こってしまう場合です。
一般道から誤って出口のインターチェンジに侵入してしまい、そのまま走行することによって逆走してしまうケース、そしてサービスエリアやパーキングエリアで出口を間違え、本線に進入し逆走するケースです。
どちらも標識の見落としなどが原因として考えられます。
次に飲酒、認知症などの精神疾患などで正常な判断が出来ずに起こる場合です。
この場合道路標識がわかってなかったり、自分が高速道路を走っている自覚がないことが多く、事故を起こす確率が高くなっています。
最後は、ドライバーが意図的に起こす場合です。
ドライバーが目的地と違うインターチェンジやジャンクションに進入してしまい、慌てて本線にUターンし逆走するケースです。
じつはこれこそが、高速道路の逆走の原因の大きな割合を占めています。
高速道路「特別転回」とは
高速道路で目的地のインターチェンジを通り過ぎてしまうと、みなさん慌ててしまうと思います。
そんな時、「特別転回」という方法があるのをご存知でしょうか?
これを知っているだけで、いざという時、皆さんの気持ちにゆとりが生まれ、安全な運行の助けになってくれることでしょう。
それでは、さっそく詳しくご説明します。
特別転回とは、目的地のインターチェンジを通り過ぎてしまった際、係員の許可を得ることで最寄りの料金所にて転回し、無料で高速道路を引き返すことが出来る特別な措置のことです。
この方法を使えば、高速道路を使って安全に目的地まで戻る事ができます。
さらに行き過ぎた分の余分な料金も払わなくて良いので、高速道路を走るときには「特別転回」の存在をしっかり覚えておき、いざという時には遠慮せずに活用しましょう。
参考サイト:NEXCO中日本公式サイト
特別転回の方法
特別転回の方法について見てみましょう。
大まかな方法は下記通りです。
- 目的のIC(インターチェンジ)を通り過ぎてしまっても、次のICまで走る。
- 係員のいるゲートに入って事情を説明する
- 係員の指示に従って転回する
それでは、順序を詳しく見て見ましょう。
目的地をうっかり通り過ぎてしまったら、焦ってしまうことが多いと思います。
しかし、決してUターンせずそのまま次のインターチェンジで降りてください。
その際、ETC車載器を装備していたとしても、ETC専用レーンには入らず、かならず係員がいる有人の料金所(ゲート)に入ってください。
料金所のゲートに入ったら、目的地を通り過ぎてしまった(分岐を間違ってしまった)など、係員に事情を説明します。
100%特別転回ができるというわけではないのですが、係員が対策方法を説明してくれます。
無料で引き返すことが分かっても、必ず係員の指示に従って車両を転回し、目的地への正しいルートへ戻ってください。
インターチェンジによって、一般道まで1度降りてから転回し再度ゲートを通るパターンであったり、ゲートの後ろや係員の常駐する施設の駐車場で転回するパターンなど、安全に転回方法が異なっています。
気をつけたいのがETCレーンのみの出口など、特別転回が適応できないインターチェンジもあります。
その際は路肩の安全な場所に止めて、道路に設置してある非常電話や、高速道路のお問い合わせ番号「#9910」に電話し、係員の指示に従ってください。
まとめ
いかがでしたか?
高速道路は一方通行の道路です。
もし降りる場所を間違えてしまった場合は、慌てずに係員に相談し、安全に目的地へ向かいましょう。
特別転回がいざという時の、あなたの手助けとなりますように。