あなたはうっかり室内灯をつけたまま、車を離れてしまいバッテリーが上がってしまった経験はありませんか?
そんな失敗はしない方でもバッテリーは古くなるとしまうと、経年劣化で容量が不足しバッテリーが上がりがちにになってしまいます。
早めにバッテリーを新品に交換するのが1番ではあるのですが、3年程度で寿命を迎えるバッテリーもある一方、5年ほど使えるバッテリーもあるため買い替えどきが難しいパーツです。
しかし、冬場などは気温が低下しバッテリーの容量が低下することで充電不足に陥りやすく、ちょい乗りや夜間走行が多い場合にはバッテリーに負荷がかかりやすく、予想外のタイミングでバッテリー上がりをおこしやすいものです。
一度、バッテリー上がりを起こしてしまうと、ロードサービスを呼ぶには任意保険の特約やJAFなどに入会していなければ意外と高価な費用がかかります。
また、サービスに加入していたとしても、観光地などではロードサービスが到着するまでにかなりの時間がかかってしまうのが難点です。
そんな時に持っていると心強いのが、持ち運びのしやすいコンパクトサイズのジャンプスターターです。
今回は1つは持っておきたいそ便利アイテム、コンパクトサイズのジャンプスターターをご紹介したいと思います。
バッテリー上がりに便利なジャンプスターターとは
ジャンプスターターとは、車やバイクのバッテリーが上がってしまった際にバッテリー端子に接続することで、車のバッテリーに不足してしまったエンジンの再始動に必要な電力を補い、再始動させるために使用するアイテムです。
人間が心停止した時に使用するAED(自動体外式除細動器)ようなイメージですね。
バッテリー上がりは自家用車が普及し始めた頃、70年代から80年代のキャブレター式MT車であれば、坂道をみんなで押して無理やりエンジンをクランキングさせて始動する方法もありましたが、現在はガソリンの噴射装置や点火タイミングなどの全てが電子制御に変わっているため、バッテリーが完全に空になってしまうと、車は始動することができません。
他には愛車と同等かそれ以上のクラスの車を探して、親切なオーナーからブースターケーブルを使い電源を分けてもらったりすることも可能ですが、都合よくそんな親切な車が通りかかるとは限りませんし、ブースターケーブルを常備してないことも考えられます。
そうなるとJAFなどのロードサービスのプロに連絡し、現場に到着までひたすら待つ以外に方法がありません。
そんなときに活躍するのが、大容量のバッテリーを備えたジャンプスターターです。
昔のジャンプスターターは車のバッテリーと同じ鉛バッテリーを装備していたため、アタッシュケースほどのサイズで非常にかさばるものでしたが、最近ではリチウムイオンバッテリーの進化により、非常にコンパクトなジャンプスターターが多く登場しています。
サイズは少し大きめなモバイルバッテリー程度のものから、辞書程度のサイズと車の中に携帯しておいても邪魔にならないサイズです。
小型でありながら、商品によっては3000cc〜6000cc程度のガソリンエンジン乗用車や3000cc程度までのディーゼルエンジンを始動することが可能で、緊急用にモバイルバッテリーとしてスマホなども充電することもできるものもあり、災害時の備えにもオススメです。
もちろん、日常的な業務で使用するのであれば、昔ながらの大型ジャンプスターターもありますので、そういった用途に使用するのであれば、その応じて使い分けることが可能です。
購入前に必ず確認しておきたいポイント
まず、購入する前に確認しておきたいポイントがいくつかありますので、購入前に必ず確認しておくようにしましょう。
使用する車のバッテリー電圧(12Vか24V)をチェック
車に搭載されているバッテリーは12V(ボルト)か24Vのいずれかを使用していることがほとんどです。
12Vは広く普及しており、容量やサイズの違いこそありますが一般的な乗用車や軽自動車、オートバイなどで使用されています。
24Vは主にバスやトラックなどの大型車両に使われています。
ただし、トラックでも1.5tなどの小型トラックでは12Vが多いので、仕事の配達などで使われているトラックでも使用したい場合などには要注意です。
ジャンプスターターの最大電流をチェック
電圧の次は使用するジャンプスターターのピーク電流(A・アンペア)を確認します。
スターター側のバッテリー容量と最大電流が不足すると、せっかく接続してもエンジンを始動できないこともあります。
ジャンプスターター の出力を確認すると、ピーク電流が400Aや600Aなどと記載されています。
使用する車体の排気量に対して概ね必要となる電流は2500cc程度の普通乗用車(ガソリン)なら400A。5000cc程度のガソリンエンジンや3000ccディーゼルエンジンなら700A程度を目安にしておくと良いでしょう。
なお、「mAh」という部分は次の容量を表している単位ですので、間違えないように気をつけましょう。
ジャンプスターターの容量をチェック
ジャンプスターターに搭載されているバッテリー容量は「mAh(ミリアンペアアワー)」という単位で記載されています。
これは一般的に放電容量と言われ、電池などの容量を表す指標になります。
mAhはどれだけの電流を1時間に流すことができるかという数値になっています。
例えば、10000mAhと表記されたものは、理論上10000mAの電流を1時間放電することができることを表しています。
この数値が大きいほどたくさんの電気を蓄えているということになります。
ジャンプスターターがエンジンを始動する際には大きな電流を使用するため、容量の少ないバッテリーではエンジンスタート必要な電流を確保できる回数が少なく、エンジン始動に数回失敗すると、ジャンプスターターのバッテリーがなくなり、エンジンをかけられなくなってしまいます。
そのため、ある程度の容量があるジャンプスターターを選んでおくことが重要で、安心につながることになります。
少なめのもので5000mAh、多いものだとコンパクトながら20000mAhなどのものもあります。オススメは10000mAh程度のものです。
なお、ジャンプスターターの多くはスマートフォンの充電用でUSB端子を備えており、非常用電源としても使うことができます。
身近なもので例えると、スマートフォン「iphone8」のバッテリーが1,821mAhですので、5000mAhのジャンプスターター で1回エンジンを始動しても2000mAh以上の余力がバッテリーに残っていれば非常用に1回スマホを満充電できることになります。
安全装置や付加価値の有無をチェック
回路保護機能がついている機種であれば、接続を間違ってしまっても逆に電流が流れてしまうことを防ぎ、誤った操作による故障を未然に防ぐことができますので、万が一の時に焦ってしまいがちな方や機械に自信のない方は保護機能つきのモデルがオススメです。
防水機能や防塵機能などを備えたタフなモデルも販売されています。
トラブルに対して万全を期すなら、先述のUSBモバイルバッテリー機能やLEDライトつきも安心につながります。
災害時や町から遠く離れた観光地の駐車場などでトラブルにあった際、不運にもスターターでエンジンの再始動ができなかった場合、救援を呼ぶにしてもスマートフォンのバッテリーが無くなっていると連絡すら取ることができません。
スマートフォンのバッテリーさえ充電できれば最悪救援を呼ぶことができますし、夜間であれば明かりの確保ができること精神的にも心強く、誰かに見つけてもらう場合にも目印として機能します。
なお、持ち運びには不便ですが、ガレージなどに常備する少し高価で大きなサイズのジャンプスターターでは、家庭用電化製品と同じ100Vのコンセントを備えたモデルもありますので、必要に応じてチョイスしましょう。
オススメのジャンプスターターのどれ
ここではたくさんのジャンプスターターの中から、オススメの商品をいくつかピックアップしてご紹介します。
信頼性重視 日立(HITACHI) ポータブルパワーソース PS-16000RP
安心と信頼の国内メーカー日立のポータブルジャンプスターター「PS-16000RP」 。
内蔵するバッテリーには「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用しており、一般的なリチウムイオンやリチウムポリマーバッテリに比べると安全性が高く長寿命であることが特徴です。
ジャンプスターターとしての基本性能は、「4,000cc以下の12Vガソリン車」または「3,000cc以下の12Vディーゼル車」までに対応。
各種保護回路(短絡・過電流・逆電流・逆接続・低電圧・温度)を搭載。 サージ対応コントロールボックスを装備。 自動充電モード搭載で、電池状態に応じた充電が可能など、安全性の高い設計が車載用のジャンプスターター として常備することを考えた際に安心できる要素が多いです。
また、高輝度LEDライト(点灯・点滅・SOS信号の3モード)もあり、ISP63相当の防水、防雨対策を実施されているため、アウトドアにも使用できます。
安価な海外製ジャンプスターターと比較するとコスト面では劣りますが、高品質な日本産ジャンプスターターを探している方におすすすめのアイテムです。
コスパ抜群 CAR ROVER ジャンプスターター14000mAh
1万円以下の価格帯ながら非常に多機能で抜群のコストパフォーマンスを誇る「CAR ROVER ジャンプスターター14000mAh」。
ジャンプスターターとしての基本性能は12V車専用で、6000ccのガソリンエンジン、3000ccまでのディーゼルエンジン、船外機に対応します。
ピーク電流は800Aのハイパワーで、バッテリーの容量は14000mAhとの大容量。
LED機能やUSBポート2口があって同時にモバイル機器を充電できます。
1万円を切る価格帯のジャンプスターターでありながら、付属のブースターケーブルには保護機能(ショート保護、逆接続保護、低電圧保護、高電圧保護、過充電保護)を搭載しているのが魅力的。
付属のブースターケーブルも比較的長いため、多くの車種に対応しています。
その他の付属品も専用ケース、スマートフォンタブレットアダプター、PSE認証済み充電器、カーチャージャー、バッテリークリップ、ノートpcアダプター、容量モニターの表面保護フィルムに18ヶ月の保障もついている至れり尽くせりな一台。
ベステック(BESTEK) BTCS001
Amazonで人気のスマホなどのモバイルバッテリー分野で活躍するベステックのジャンプスターター「BTCS001」。
ジャンプスターターとしての基本性能は12V車専用で、3000ccまでのガソリンエンジンに対応します。
バッテリーの容量は13600mAhとなかなかの大容量。
中国生産ながら、しっかり保護機能も搭載されており、ショート保護、逆接続保護、低電圧保護、高電圧保護、過充電保護で製品とカーバッテリーを保護します。
コンパクトで収納バッグも付いて、持ちしやすいのも特徴。
LEDライトやUSB端子付きで、スマホやタブレットもケーブルさえあれば充電できるところも魅力です。
万能の大型タイプ 日立[HITACHI] ポータブルパワーソース PS-64000
車載可能なコンパクトなジャンプスターターの紹介としては番外となる大型ジャンプスターター 。
先にご紹介したPS-16000RPの日立が販売するジャンプスターターです。
逆接続防止機能やバッテリー異常時の警告・モニター機能など1台で多くの用途に使えるマルチパワーソースで、12Vの6000cc以下の乗用車から24Vの17000ccのトラックまで対応します。
ただし、こちらは価格も10万円を超え、重量も5kg近い商品ですし、さすがに車載自動車の緊急ジャンプスタート用に購入される方は少ないと思いますが、100V電源のコンセントも備えているため、キャンプや災害時の非常電源としても活躍できるようになっています。
この商品はどちらかというと車に常備するジャンプスターターというよりも、ガレージなどに置いておく非常用バッテリーシステムと考えた方がよいでしょう。
もし、ジャンプスターターとして購入するなら、複数代の車やバイクをガレージに所有している方などに向いています。
まとめ
不意のバッテリー上がりというトラブルを解決することができるジャンプスターター。
バッテリー上がりはJAFなどのロードサービスのなかでも、特に多いトラブルのひとつです。
普段からの点検整備が1番の対策ではありますが、トラブルの多い寒い冬になる前にお守りとして、また災害時の備えとして、ひとつ常備しておいてはいかがでしょうか。
なお、せっかく購入しても充電されていなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。リチウムイオンバッテリーは自然消耗が少ないとはいっても、定期的にジャンプスターターのバッテリー状態を確認するのは忘れないようにしましょう。