近年のアウトドアブームでは、テントでキャンプするほかに、キャンピングカーや自家用車を改造して車中泊をする方が増えています。
車中泊は特に費用がかからず、テント設営などの面倒が少ないため、今もっとも注目をされているカーレジャーのひとつです。
よく利用される宿泊地としてあげられるのは全国にある道の駅です。
しかし、それを歓迎する道の駅もあるのですが、大量のゴミを廃棄したり、駐車場にテーブルや椅子を広げての宴会、トイレの私物化など一部の車中泊利用のドライバーのマナーが問題となっており、車中泊禁止の看板を掲げる所も増えてきました。
そんな中、日本RV協会認定が提唱する「RVパーク」という新たな車中泊スポットがにわかに注目されつつあります。
今回は道の駅の現状とRVパークについてご紹介します。
「RVパーク」と「道の駅」の違い
長年、ドライバーの休憩スポットになっている道の駅。
清潔なトイレもあり、駐車場も無料で利用できることから、車中泊地としての利用者も増えていました。
本来であれば、道の駅や周辺施設の売り上げアップも見込めることもあり、歓迎すべきことなのかもしれません。
ところが近年になって、各地の道の駅で「車中泊利用者のマナー」が問題になっていることをご存知でしょうか。
まるでキャンプ場のように、夕方から朝までの長時間駐車場を占領したり、洗面台を使用して調理したりバーベキューしたりと迷惑行為を平気で行う利用者が増えています。
「売り上げにもつながるのだから何の問題がある?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
本来、道の駅の役割は「ドライバーがゆっくり休息できるスポット」ですので、疲労回復のために仮眠をとる事は認められています。
しかし、道の駅は車中泊利用者のための施設ではありません。
駐車場を占有されることによって、一般客の利用を阻害することも考えられます。
あなたがドライブ中に立ち寄った道の駅の駐車場でバーベキューや宴会騒ぎを行なっていたとしたら、隣接するスペースに駐車したいと思うでしょうか。
駐車場にいつも不審なワンボックスカーが駐車してあり、いつも小汚い格好の男性がトイレで洗顔を行なっていたとしたら、小さなお子様がいる方は安心して駐車場を利用できるでしょうか。
他の利用者の立場として考えれば、問題点も分かってくると思います。
車中泊を禁止する「道の駅」の登場
こうした問題を受けて、ついに車中泊を禁止する道の駅が増え始めました。
「道の駅」の各施設が「仮眠時間」として認めている時間は、およそ5~6時間とされているのが実情です。
車中泊を禁止する道の駅では5〜6時間を以上の仮眠は「宿泊」という認識になり、利用を禁止される対象となります。
このような現状となってしまったことは、間違いなく「一部の自己中心的な車中泊利用者の行為」が原因です。
マナーを守って車中泊の旅を楽しんでいる人間としては、非常に悲しい事態だと認識しておくべき問題といえるでしょう。
車中泊歓迎な「道の駅」もある
車中泊禁止の道の駅が登場する一方、車中泊をあえて歓迎する道の駅もあります。
こうした道の駅の多くは、夜利用者が少ない所など、車中泊の方を呼び込み地域を盛り上げたいと考えているのでしょう。
車中泊を容認し、道の駅を1つの観光施設として打ち出しているところも存在します。
駐車場の一部を後述する「RVパーク」として提供している道の駅もあることから、そのことの一端を窺えます。
ただし、歓迎している道の駅とはいえ、常識的なマナーを守ってお互いが気持ちよく過ごせるように利用することが鉄則です。
他の道の駅の利用者や周辺住民の方から、車中泊利用者に対して否定的な意見が多くでてしまった場合、現在歓迎されている施設でも禁止になってしまっても何ら不思議なことではありません。
特定の道の駅の駐車場で仮眠の範囲を超えて利用する予定で旅行される場合、車中泊利用ができるかどうか事前に確認しておくこともトラブルを避けるひとつの方法です。
新しい車中泊スポット「RVパーク」とは
RVパークとは『快適に安心して車中泊が出来る場所』をコンセプトに、日本RV協会が推進している施設です。
2019年4月現在、全国に123施設が設置されており、各地の道の駅をはじめとして、日帰り温泉施設やオートキャンプ場、湯YOUパークなどと提携しながら、今後も徐々に増えていく模様です。
RVパークで提供されるサービスは
RVパークのコンセプトは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーオーナーや車中泊旅行ファンに提供とするものとされています。
RVパークの宿泊スタイルですが、一般的な道の駅やオートキャンプ場など違い、「駐車場での車中泊」をメインに利用できるよう作られています。
具体的には、駐車場などの一画にゆったり広いスペースの有料宿泊エリアを設けており、利用者の希望に応じて一週間程度の滞在も可能となっています。
一般的な道の駅と同様「24時間利用が可能なトイレ」はもちろん、「100v電源供給設備」や「ごみ処理(放置は禁止です)」にも対応しています。
さらに温泉などの入浴施設に併設されたRVパークでは「温泉施設」や「リクレーション施設」も利用できるところもあります。
基本機に有料ですが、2000円から3000円程度で利用が可能で、安価に宿泊使用できる車中泊用の公認駐車場というのが的確な表現かもしれません。
RVパークに設定されているルール
RVパークは道の駅などに併設されている場合もあり、基本的なルールの他に施設ごとのローカルルールも存在します。
RVパークで利用できるサービス
・原則有料である代わりに広い駐車スペースでの宿泊利用が容認されます。
・電源の利用やゴミ処理などのサービスを受けることができます。
(料金の目安は施設により前後しますが、1台一泊の利用でおおよそ2000円~3000円くらいとなっています。)
・予約は費用の場合が多い。多くのRVパークでは予約不要となっていますが、一部には予約必須の施設もあります。
管理者の対応できる時間帯やスペースの都合もありますので、事前公式サイトなどでチェックし必要であれば予約をしておく方が確実です。
・自分の駐車スペース内であれば車外にテーブルやいすを広げてゆっくり過ごすことが可能です。
・日本RV協会認定車の中泊施設ですが、キャンピングカーやSUVでなくても通常の乗用車でも問題なく利用できます。
・近郊に利用できる入浴施設がある(一部除く)
RVパークの禁止事項
・キャンプ場ではありませんので焚き火や屋外での調理は禁止されています。
(オートキャンプ場に併設されているタイプのRVパークでは、キャンプエリアでの火器利用は可能な場合があります。)
・発電機などの使用、騒音などで周辺利用者の迷惑になる行為は禁止されています。
・キャンピングカーの排水などは施設に確認し、ルールに従って処理するようにしましょう。
・所定方法以外でのゴミのポイ捨てや不用品を置きっぱなしで出発することは禁止されています。
さいごに
今回は新たな車中泊スポットとして注目されている「RVパーク」と、道の駅の現状についてご紹介しました。
今後も車中泊旅行などに興味を持って、実際にチャレンジしてみたい方は増えてくると思います。
ご自身のお子様やお孫さんの世代も、皆さんと同じように車中泊での素敵な旅を満喫することができるためには、現在旅をしている私たちの行動が大切です。
それが今後の車中泊、キャンピングカーを利用しての旅行を続けていくことができるかの分岐点になってくるかもしれません。
公認の車中泊スポット「RVパーク」を有効に活用し、旅を楽しむあなた自身も旅先で出会った皆も笑顔で思い出を語れるような、素敵な思い出をたくさん作っていけることを願っています。
全国のRVパークの場所などは日本RV協会が運営している公式ホームページのから、「施設一覧」でチェックしてみてください。
くるま旅:https://www.kurumatabi.com/rvpark/