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新型ジムニーは雪道初心者でも安心感がアップした最強の軽SUV

投稿日:2018年7月24日 更新日:

新型ジムニー(4代目)

 

スノーボードやスキーなど、ウインタースポーツが好きな方はもちろん。
豪雪地帯でお住みの方で安心の走行性能を持つ4WDを探していたあなたに朗報です。

2018年7月5日、スズキのジムニーが20年ぶりにフルモデルチェンジして登場しました。

フルモデルチェンジで4代目となる今度の新型ジムニーは、これまでのモデルにあった玄人好みの走破性能だけではなく、ハスラーなどにも採用されていたヒルディセントコントロールなどが採用され、初心者でも安心して雪道を運転できる車に仕上がっています。

その優れたデザインと、走行性能の進化は世界で評価されています。

今回はそんな新型ジムニーの雪道での走行性能をクローズアップしてみたいと思います。

 

 

 

 

ジムニーってどんな車

スズキ ジムニー旧モデル(3代目) 画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/

軽自動車で唯一、専用のラダーフレームに車軸式(3リンクリジッドアクスル式)サスペンションを装備しているジムニー。
他車種では真似できない車体の剛性と走行性能の高さを持っています。

さらに今回のフルモデルチェンジではラダーフレームにクロスメンバーが追加され、全モデルから比較して剛性が150%アップとなっています。

また、下位グレードであったとしても外装や快適装備に差があるものの、主軸となる走行性能の部分は上位モデルに劣る部分がありません。

路面状態に応じて、最適な駆動方式を選択することができるパートタイム4WD、専用チューニングのターボエンジンとの相性もよく、国内の道であれば雪道だけでなく、過去のモデル以上にあらゆる路面に対応できると言っても過言ではありません。

ジムニーは最近になって流行しているSUV(スポーツユーティリティービークル)のなかでも、背の高いセダンのようなモノコックボディを採用した都市型でCUV(クロスオーバーユーティリティービークル)ではなく、本格的なオフロード走行を前提としたクロスカントリーモデルなのです。

 

 

 

新型ジムニーの旧モデルに比べて雪道性能のメリットは?

旧モデルの歴代ジムニーも優れた4WD性能を持っており、実際に北海道などの雪深い地域ではプロにも支持され、郵便・新聞配達などでも活躍しています。

すでにプロ御用達の走行性能を持っていることは確かですが、あくまで4WDの走行性能が高く、通常の雪道であればスタックして進むことができなくなったり、勾配の急な坂道を登れないようなシチュエーションを回避できるという意味での性能です。

2018年6月まで販売されていた3代目ジムニーは非常にロングセラーなモデルで、その発売は1998年。
もう20年も前の設計になります。

新型ジムニーはこの基本となる走行性能を熟成させ、さらに最新のシステムを組み込むことで、雪道の初心者でも安心できる機能を追加しました。

 

 

 

新たに設定されたヒルディセントコントロール

これは発売から現在まで高い人気を誇る、ハスラーの4WDモデルにも採用されていた「下り坂の走行アシスト機能」です。

4代目新型ジムニー(ヒルディセントコントロール)雪道やアイスバーン(凍結路面)などの急な下り坂では、いくら4WDのトラクション性能が高くてもブレーキ操作が荒いとタイヤがロックしてしまい、スピンなどの危険な状態を発生させることがあります。

これは速度超過の状態だけでなく、路面状態によっては20〜30km/hほどの低速であっても発生します。

ヒルディセントコントロールはそういった急な下り坂のシチュエーションで、ドラーバーに変わってブレーキを自動制御することで車両の加速を抑え、定速走行(約7km/hでゆっくり坂を降りる)を実現する機能です。

ヒルディセントコントロール 画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/

上記の画像はハスラーのイメージで表示などはジムニーと異なりますが、機能としては同様のものです。

 

ジムニーに乗るあなたが、もし免許取り立てであったり、雪道が初心者のドライバーであっても、ブレーキの微妙なコントロールは車に任せてハンドル操作に集中できるので、安心して雪道の下り坂を降りることができます。

また、ハスラーと違いジムニーは全てのグレードが4WDなので、どのグレードを購入してもヒルディセントコントロールは装備されており、安心感につながります。

使用条件はトランスファーレバーが4Hまたは4Lの状態(つまり4WDに切り替えた状態)で、車が25km/h以下の速度。走行する坂道が勾配約7%以上の場合に作動します。

なお、4AT(オートマチック)車では、シフトポジションがPおよびNでは作動しませんので、走行可能なレンジで使用しましょう。

緩やかな坂道や速度超過状態での走行をサポートする機能ではありません。
雪道やアイスバーンは状態によってプロドライバーであっても静止できないこともありますので、機能を過信せず無理な運転は控えましょう。

 

 

ブレーキLSDトラクションコントロール

前輪と後輪が直結されているパートタイム4WDシステムを採用したSUVでも、左右輪のどちらかが空転した場合にはもう一方の車輪の駆動力は失われてしまい、スタックして動けなくなってしまうことがあります。
俗に言う「対角スタック」という状態です。

昔のオフロード向けの車両では機械式LSD(デフロック)などが採用されていましたが、最近では電子制御のトラクションコントロールで脱出性能をアップするのが一般的です。

新型ジムニーでも、そうした滑りやすい路面でドライバーが特別な気を使うことなく、十分な駆動力を確保するため電子制御の「ブレーキLSDトラクションコントロール」というシステムが標準装備されました。

「ブレーキLSDトラクションコントロール」は通常のトラクションコントロールとは異なり、副変速機を4WD-L(4WD低速)に設定した状態で働きます。

深い雪道や春の溶けたドロドロでぬかるんだ雪道の走行時、空転してしまった車輪があった場合、ブレーキLSDトラクションコントロールは自動的にその車輪にのみブレーキを作動させます。

そうすることで、エンジンの駆動力が空転して逃げてしまうことを防ぎ、接地している残りの車輪にトルクを配分して駆動力を確保。
スタック状態から非常に高いリカバリー性能を発揮できます。

また、4WD-L(4WD低速)ではない通常の4WDモード4H(4WD高速)の選択時には、「ブレーキLSDトラクションコントロール」は働きませんが、ジムニー専用にチューニングを施されたトラクションコントロールシステムした横滑り防止装置「ESP(R)」がしっかりと走行と空転からの脱出をサポートしてくれます。

4代目新型ジムニー(ブレーキLSDトラクションコントロール)

ジムニー・ブレーキLSDトラクションコントロール 画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/

 

 

機械式副変速機を採用で確実なトランスファー制御が可能に

 

先代ジムニー(3代目)「ドライブアクション4×4」画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/

旧モデルとなる3代目ジムニーは、副変速機をスイッチ式で快適に行なえる「ドライブアクション4×4」を採用していました。

ドライブアクション4×4は2代目までのジムニーと違って、通常の舗装路を走行する際には2WD、圧雪道やフラットダートでは4WD、コブや急勾配の登坂には4WD-Lのように駆動形式をスイッチ一つで気軽に切り替えることができます。

しかし、電気的なスイッチでトランスファーとエアロッキングハブを制御し、副変速機を制御するこのシステムにはいくつか欠点もありました。

ひとつは仕様上、傾斜の強い斜面で「4WD-L」にシフトチェンジできないことです。

また、手軽に切換が行えるというメリットとは逆に、スタック状態からの脱出を試みる際、短時間で前後運動を繰り返すとハブの動力が外れてしまい、スイッチは4WDモードを選択しているのに、動力が伝わらない車輪があったりするトラブルもありました。

本格的なオフロード走行や競技を行うユーザーは、後付けでマニュアルフリーハブを装備する方も多かったようです。

ただし、社外パーツのマニュアルフリーハブは切り替えの際には車から降りて、ホイール横のつまみを回してという作業が必要になってしまいます。

 

4代目新型ジムニー(機械式副変速機)

今回で4代目となる新型ジムニーでは実際にジムニーを使用するユーザーの声を汲み取り、副変速機を2代目ジムニーのようなダイレクト感のある機械式副変速機に変更しました。

単純な見た目やライトユーザーなら、3代目の電気式の「ドライブアクション4×4」が良いかもしれませんが、世界中で利用されるジムニーとしては「あらゆる状況下で確実に走行モードを切り替えることができる」機械式副変速機が望まれていたのでしょう。

 

4代目新型ジムニー(機械式副変速機)

ちなみに機械式副変速機の切り替えレバーはシフトレバーの後側、運転席の左付近に設置されています。

写真は私が実際に試乗したジムニーのATモデルです。

2H(2WD)から4H(4WD高速)の切り替えは、機械的なダメージや事故を防ぐため、必ず直進時の100km/h以下で行います。

また、4L(4WD低速)の切り替えは静止状態で行なってください。

4Lモードでは速度を出すことはできませんが、通常の変則比からスーパーローの比率に変更され、ブレーキLSDトラクションコントロールに加えて、通常時の2倍程度の駆動力を得ることができます。

 

 

他にもある新型ジムニーのメリット

上記のような走行性能をアップする技術の他にも、新型ジムニーでは一般的な車種に標準装備され始めた、ユーティリティ機能の向上や安全装備が追加できるようになりました。(グレードによっては標準装備)。

安全装備については日常的な使い方だけでなくプロユースの方も装備しておくと、いざという時に安心です。

また、契約される自動車保険によっては、ブレーキアシストなどの安全装備による保険料の割引制度がある場合もあるようです。

 

安全装備の向上

「スズキ セーフティ サポート」の内容は

「デュアルセンサーブレーキサポート(単眼カメラ+赤外線レーザーレーダー方式の衝突被害軽減ブレーキ)」、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐ誤発進抑制機能(4ATのみ)、路上の白線を検知する「車線逸脱警報機能」、「ふらつき警報機能」、ハイビームを適切に使用できる「ハイビームアシスト」、渋滞時に便利な「先行車発進お知らせ機能」、メーターの中央に配置された液晶に制限速度などを表示する標識認識機能などがあります。

 

ユーティリティ性能の向上

これまでのジムニーでは難しかった、ノーマル状態での長尺物の積載が可能になりました。

これによりスキー場へのアプローチなどで、ルーフキャリアを装備しなくても車内にスキー板やボードを積載することができます。

下の写真のように荷室から助手席までをフラットにつなげることができますので、スキーなどの長尺物の積載だけでなく、夏場にはMTBやロードバイクを積載したり、山岳カメラマンなどの方なら登山口までのアプローチで仮眠(車中泊)を行ったりすることも可能です。

これまでのジムニーでも車中泊を行うユーザーは存在しましたが、快適に使用するためには後部座席を撤去したり、専用のキットが必要になっていました。

しかし、新型ジムニーならシートの凹凸を軽減するマットなどがあれば、容易に就寝スペースの確保が可能です。

 

新型ジムニー(4代目)長尺物積載時

就寝スペースの確保にはキャンプや登山になれた方なら、数千円で購入できるキャンプ用のマットを使う方法もあります。

ただ、車中泊ではマットが悪いと睡眠の質が下がってしまうので、翌日に眠気が残り旅の質が下がったり、運転中に眠くなったりすることがあります。
できることなら、上記の両方の良いところを集めたインフレータブルタイプのマットで、シートの凸凹を解消できる肉厚タイプを選びましょう。

私のオススメは「車中泊専門店オンリースタイル」のマットです。
価格も24,800円(税別)からで純正オプションよりもかなり安く購入できます。

さらにこだわるのであれば、下のハスラーの動画にある島田商事さんのように、専用のカスタマイズを行ってくれるショップもあります。
興味のある方が相談してみると良いでしょう。

島田商事(株)

 

新型ジムニーのデメリットは燃費?

旧モデルに比べてのデメリットではないのですが、やはり他車種に比べて燃費が悪いことがあげられます。

新型ジムニーのカタログ燃費は5MTモデルが
WLTCモードで16.2km/L
市街地モード14.6km/L
郊外モード17.5km/L
高速道路モード16.5km/L

4ATモデル(XC)は
WLTCモードで13.2km/L
市街地モード11.0km/L
郊外モード13.9km/L
高速道路モード14.2km/L

となっています。

ジムニーではこれまでのカタログ燃費の基準となっていた日本独自の「JC08モード」から、市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード「WLTCモード」にカタログ表記が変更しました。

WLTCモード(Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle)は世界基準となる燃費試験数値で、これまでカタログ燃費として記載されていたJC08モードに比べ、実燃費に近い数値となります。

今後は各メーカーの車種でも、カタログ燃費はWLTCモード表記が主流になっていくと言われています。

これまでのJC08モードでは「カタログ燃費競争で勝つことが、車のアピールポイントになる」ことから、車種によってJC08モード計測時に最高の燃費が出せるような車の作りになっていたりしたことから、実燃費がカタログ数値の70%にも満たない車種もありました。

まだ、データが少ないため確実ではありませんが、新型ジムニーのカタログ燃費は前モデルの燃費とほぼ変更がないため、実燃費としては若干向上しているように思います。

ここ最近は20km/Lなんてカタログ燃費が普通に見られるようになった軽自動車業界では、ジムニーの燃費は良くないように思えます。

しかし、積載量と信頼性を重視した商用1ボックスタイプベースの軽自動車。
例えばエブリィやアクティ、バモスなどの4WDターボモデルと比較してみると、燃費的には同程度となっています。

普通車においても一部のハイブリッドのC-HRやハリアーなどオフロード走行を前提に考えていない都市型SUVをのぞいて、本格的なSUVは走行性能と信頼性が高い反面、燃費が多少犠牲になっています。

使用用途や装備、走行性能を考えるなら、新型ジムニーは十分実用的な燃費と言えるはずです。

 

まとめ

新型ジムニーの雪道走行性能の進化はいかがでしたか?

ジムニーはその作りとイメージから、ちょっと高価なイメージやプロユース向けという先入観を持たれる方も多いです。

しかし、全グレードターボ付きで4WDであり、他の車種にはない走行性能を持っていますので、機能的にはむしろリーズナブルです。

デザインも原点に戻ったエクステリアで、ベンツのGクラスのようにオシャレな風格をもって海外でも高く評価されています。

剛性アップで走行性能だけでなく、静粛性などもアップされており、日常的な使用でも不便に感じることはないでしょう。

カーライフの中で雪道や山道の走行を考慮するなら、日常の足として、趣味の延長として多くのユーザーを満足させてくれる1台に仕上がっていると思います。

また、ジムニーの唯一無二の個性は軽自動車であっても、他の車種を羨ましく思うことのない所有感と満足感があります。

現在は軽SUVで本格的な走行性能を持ったライバルが不在なため、大きな値引きは難しいですが、ジムニーはリセールバリューが非常に高いため、後悔することは少ないはず。

あとは少しでも損をしないように、現在の愛車の査定を少しでも高くできるよう工夫して、お得に愛車を手に入れましょう。

それでは、あなたが最高の愛車と出会えることを願っています。

 

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