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ヴィッツハイブリッドで燃費の良いハイブリッドカーをより身近に

投稿日:2017年9月3日 更新日:

普段乗りに適したコンパクトなハイブリッドカーを探しているけど、「いかにもハイブリッドなアクアはちょっと」というあなた。
普段使いのコンパクトカーとして定評のあるヴィッツが、そのままの使い勝手でハイブリッドカーになっているのをご存知ですか?

ヴィッツの2017年1月マイナーチェンジと同時に登場したヴィッツハイブリッド。
登場当初は「同社のアクアと競合するのに意味があるのか?」など、市場でも色々な意見がありました。

そして、発売から半年以上ったヴィッツハイブリッドは予想に反してしっかりと売れています。
同価格帯のコンパクトハイブリッドなら、同社のアクアやライバルとなるホンダフィットハイブリッド、日産ノート(NOTE) e-powerがある中でも好評であることから、やはりベースとなるヴィッツの人気の強さを感じることができますね。

 

今回はそんなヴィッツのハイブリッドをピックアップしていきたいと思います。

 

 

 

 

より身近になったハイブリッド

コンパクトカーのハイブリッドのヴィッツハイブリッドはサイズとカテゴリーこそアクアとは同じですが、ターゲットやその車(モデル)が持っている意味合いが異なっています。

メーカーからのコメントでは
「コンパクトなハイブリッドを普及させる」という目的を持ったモデルがアクアがあり、ヴィッツはアクアが切り開いた「コンパクトのハイブリッドを一般化させる」という戦略車である。とのことです。

これまでは「ハイブリッド」は特別な車であって、それを購入するユーザーは「ハイブリッドカーを選んでいる」ということを主張したい方が多かった。
そのため誰が見てもハイブリッドカーだと分かるアイコン。
つまり「プリウスやアクアのようなハイブリッド専用車」が必要でした。

しかし、ハイブリッドシステムが一般化されてきた今、「より身近で使いやすい車」や「ハイブリッドであってもあえて意識しなくてもよい車」というシェアが広がってきました。

そして、市場でのヴィッツにハイブリッド追加を望む声を反映し、今回追加されたヴィッツハイブリッドが売れないはずはありません。

特別なエクステリアを持たないコンパクトハイブリッドなら、大きな荷物の積載も得意で使いやすいホンダの「フィットハイブリッド」や「ノートe-power」もあります。
しかし、ガソリンエンジンのヴィッツがライバル達の中で売れていたように、「ちょうどいいサイズ」「みんなと同じ安心」「販売台数が多いからカスタマイズパーツも豊富」「トヨタブランドであること」など、アドバンテージはまだまだあるのです。

日本のエコカー市場では「EV」や「クリーンディーゼル」に比て「ハイブリッド」が売れる以上、よい意味で「大衆化されたハイブリッド」であるヴィッツはこれまでのように人気モデルになるはずです。

 

 

ヴィッツハイブリッドのエクステリアは?

 

vitz

 ヴィッツハイブリッド 画像出典:http://toyota.jp

基本的にヴィッツハイブリッドのデザインはガソリンエンジンモデルのヴィッツと同じです。

2017年1月のマイナーチェンジで「やや濃い」と言いますか、迫力のあるデザインになりました。
ヴィッツは以前から欧州などで「ヤリス」の名称で発売されていることから、海外市場のライバルに近づくためにデザインを個性的にシフトしたような印象を受けます。

そのせいか少し「男性的な印象」が強まりました。

 

vitz

サイドビューはベーシックなコンパクトカーらしいデザインです。

同社のアクアに比べると、リアに向かうルーフの傾斜が緩やかで優しい印象を受けます。

vitz

リアビューはこのような感じ。

リアゲートのトップはアクアに比べて高さがあり、開口部も広くなっています。

 

 

ちょっとゴージャスなJewela(ジュエラ)

vitz

ハイブリッドの「ジュエラ」もガソリンモデルと同様にフロント周りやミラー、ドアノブ、ドアモールがメッキ仕様となり、内装もオシャレなパターンにアレンジされています。

メッキなど光り物が多いので、一見女性向けのようにも感じられます。

しかし、ボディーカラーでブラックを選択すると、写真のような少しVIPな印象にもなり、好みのアルミホイールとコーディネートすれば、ちょっと高級な雰囲気のヴィッツになりますよ。

 

 

 

 

ヴィッツハイブリッドのインテリアは?

 

基本的なインテリアデザインはこれまでのヴィッツのものを引き継いでいます。
モデルチェンジ前に比べて素材の質感部分は向上しており、上級モデルの車種からのダウンサイザーにも受け入れられやすいよう工夫されています。

現行のヴィッツにフルモデルチェンジされた時期はリーマンショックの時代と重なっており、ヴィッツに限らず内装や装備が顕著にコストダウンの影響を受けているため、その頃から「コンパクトカー」は走りも質感も安っぽい車という印象がユーザーに浸透しまっています。

フルサイズのステーションワゴンやセダンのユーザーがダウンサイジングを想定した場合、あまりにもチープな内装やお粗末な走行性能では選択肢から除外されてしまうことも多いです。

しかし、近年の海外のBセグコンパクトカーやマツダのデミオなどの登場で、コンパクトカーの悪い印象も少しづつ払拭されつつあります。

そこで、ヴィッツも1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドモーターを使い走行性能の向上と、それに見合った内装の質感を引き上げてきたように感じます。

 

 

ヴィッツハイブリッドは装備も豪華

ヴィッツハイブリッドはエアコンがフルオートエアコンになって質感も向上

ヴィッツはグレードによってエアコンがマニュアルエアコンとオートエアコンに分かれています。

エアコン

マニュアルエアコンとは上の写真のような全てが手動のエアコンです。
慣れていれば不自由を感じるものではないのですが、上級モデルの車から乗り換えると操作が面倒に感じたり、あまり見栄えが良くなかったりします。

今回のヴィッツハイブリッドではヴィッツの上級グレードという位置付けのためか、全グレードでフルオートエアコンが装備されています。

オートエアコン

機能だけでなく、センターパネルにあるエアコンのコンソールが上記のよう変更されますので、インテリアの質感向上にも効果的です。

 

ヴィッツハイブリッドは全グレードで6対4分割方式の後部座席を採用

ヴィッツはアクアに比べて後部座席の足元スペースが広めに設計されており、後部座席に大人が乗車する際にもアクアに比べて足元に余裕を持って座ることができます。
これはハイブリッドモデルでも継承されており、家族や友人の送迎などで後部座席を使用することがある方には嬉しいポイントです。

また、ヴィッツハイブリッドでは全グレードで後部座席のバックレストに6:4分割可倒式リヤシートを採用しています。

 

ヴィッツ 一体型バックレスト 画像出典:http://toyota.jp

ヴィッツのガソリンエンジングレードでは、後部座席がUグレードやジュエラ(JEWELA)の1.3リットルモデルを除いて、左右一体型のバックレストを採用しています。

左右一体型も6:4分割可倒式もバックレストを前面に収納し、大きな積載スペースを作ることができることは同じです。

どちらも大きな違いはないように感じますが、3名以上で使用する場合の積載能力に大きな差が現れます。

具体的に説明すると、一体型のバックレストではトランクスペースを広げた場合、後部座席が全て潰れてしまうので、2名しか乗車することができません。

 

ヴィッツ 6:4分割可倒式リヤシート 画像出典:http://toyota.jp

しかし、ハイブリッドに標準装備される6:4分割方式のバックレストを採用するモデルであれば、左右どちらかのバックレストのみを倒すことで、積載スペースを広げつつ3名まで乗車することが可能になります。

2名以上で使用することが多いなら、このシートアレンジは嬉しいですね。

 

また、エクステリアの項目でも少し触れましたが、リアゲートの開口部もアクアに比べて大きく取られているので、買い物などにも便利です。

 

ヴィッツハイブリッドの走りや乗り心地は

過去に1000ccのヴィッツに乗ったことがある方なら、どうしても「ヴィッツ=軽自動車のような頼りない走り」と想像してしまいます。

しかし、ヴィッツハイブリッドのパワートレーンはアクアと同じシステムを採用していることから、アクアと同等の加速性能を持っています。
モーターのサポートを受けた力強い発進加速で、通常の使用用途で不満を感じることは少ないでしょう。

さらにブレーキはアクアのようなカックンブレーキになりやすい特性が少なく、踏み込む力に応じて制動力が立ち上がる自然な特性になっていて、車好きの方でも違和感がないブレーキ特性になっています。

マイナーチェンジの改良によりボディのスポット溶接数なども増加しており、走りもモデルチェンジ前に比べてしっかりとしており、サスペンションもマイナーチェンジ前のヴィッツに比べてしっとりした印象です。

少しアグレッシブに走ると、ふわふわしてロールが多く、峠のようなコーナーが多いコースでは腰砕け感があり、スポーティーな足回りが好みのユーザーには不満が残るかもしれません。

とはいえ、トヨタ車のなかでも人気のヴィッツです。
スポーツ走行向けの社外サスペンションもしっかり発売されているので、ここは好みに応じてカスタマイズするとよいでしょう。

 

ヴィッツハイブリッドに4WDの設定は?

ヴィッツは1.3Lまでのガソリンエンジンの車には4WDの設定があるのですが、「ヴィッツハイブリッドには4WDの設定がありません。

同じパワートレーンをもつアクアもクロスオーバーを含めて4WDの設定がありませんので、トヨタのBセグコンパクトカーで4WDが必須であれば、通常のガソリンエンジン車を選ぶことになりそうです。

ライバルとなるホンダでは「フィットハイブリッドに4WDが設定されています」ので、今後のトヨタの対応に期待したいところではありますが、開発費用に対して4WDは販売台数も少なく、採算を考えると次回のフルモデルチェンジまで4WD追加の予定はないという考えが濃厚です。

 

 

 

ライバル「アクア」と比較してみる(スペック比較)

やはりヴィッツハイブリッドの最大のライバルは自社のアクアになります。

そこで、アクアとスペック上の違いを見てみました。

 

■基本スペック比較

ヴィッツハイブリッド アクア S※
エンジン型式 1NZ-FXE 1NZ-FXE
総排気量 1496cc 1,496cc
最高出力 [エンジン] 54kW(74PS)
/4,800rpm
54kW(74PS)
/4,800rpm
最大トルク [エンジン] 111N・m(11.3kgf・m)
/3,600~4,400rpm
111N・m(11.3kgf・m)
/3,600~4,400rpm
最高出力 [モーター] 45kW(61PS) 45kW(61PS)
最大トルク [モーター] 169N・m(17.2kgf・m) 169N・m(17.2kgf・m)
JC08モード燃費 34.4km/L 34.4km/L※
全長 3,945mm 4,050mm
全幅 1,695mm 1,695mm
全高 1,500mm 1,455mm
ホイールベース 2,510mm 2,550mm
車重 1,100kg 1,090kg
車体価格  1,819,800円〜 1,886,760円〜※

一見すると同じように見える2台もスペックを比較することで、下記のような特徴が見えてきます。

ヴィッツの室内高はアクアより高く、室内空間にゆとりがある
ホイールベースが短いことで、最小回転半径もアクアの4.7mに対して、ヴィッツは4.5mとなっており、取り回しもアクア以上で小回りがきく

また、スペックの数値には表記がありませんが、アクアに比べて後部座席の足元がひろく、大人4名が乗車する場合など、足元にも余裕があります。

※アクアの最廉価グレードLは1,785,240円〜で燃費も38km/Lとなります。
しかし、ヴィッツの上級グレードとなるヴィッツハイブリッドに対して、アクアLは後席のパワーウィンドウや遮音材なども省いた燃費スペシャルの廉価グレードなので、中級グレードのSのスペックで比較しています。

 

アクアの詳しい記事はこちらもチェックしてみてください。

トヨタ・アクア2017年6月のマイナーチェンジでより魅力的に

手頃な価格で燃費も良いハイブリッドカーに乗りたいあなた。 2017年6月にマイナーチェンジを受けたトヨタ・アクアはいかがですか? 何と言ってもアクアは2011年12月に登場以来、プリウスやフィットと登 ...

 

 

 

アクアと同じ優れた燃費

アクアと同じパワートレーンを使用しているヴィッツハイブリッドの燃費は「JC08モード燃費モードで34.4km/L」となっており、数値的にはアクアと同等の性能を持っています。

実燃費でも18〜28km/L程度と好調で、アクア同様に財布に優しい普段の足として期待することができます。

 

ヴィッツハイブリッドの価格は?

価格はヴィッツハイブリッドの車体価格は181.9万円〜223.7万円。ライバルのアクアが188.6万円〜208.9万円(廉価グレードLを除く)ですので、ほぼ同じ価格帯と言えます。
グレードによってはヴィッツの方が装備が豪華なこともあり、お買い得感があるかもしれません。

ガソリン車モデルとハイブリッドの価格差は「HYBRID F」が約181万円に対し、「1.3F」が約148万円なので、差額は33万円ほどです。
とはいえ、購入時の税金優遇やハイブリッドのモーターによる力強い加速や装備の充実もあって、実質の20万円前後とみた方がよいでしょう。

パワートレーンが異なる車になりますから、単純に「元をとる」という考えは難しいと思いますが、通勤などで1年の走行距離が多い方など、乗り換えまでに10万キロを超えるような方なら、快適な走行性能を享受でき、同時に価格差も埋めることができます。

逆に年間の走行距離が少なく、3年や5年で車の乗り換えを考える使い方では燃料代で価格差を埋めることはできません。

 

ヴィッツの車体価格

ヴィッツ(ガソリンエンジンモデル)
1.0F Mパッケージ 118.1万円〜
1.0F 132.5万円〜
1.0F スマートストップパッケージ 140.5万円〜
1.0ジュエラ 147.3万円〜
1.0ジュエラスマートストップパッケージ 155.3万円〜
1.3F 148.1万円〜
1.3ジュエラ 170.3万円〜
1.3U 179.8万円〜
1.3U スポーツパッケージ 195.2万円〜

 

ヴィッツ(ハイブリッドモデル)
1.5ハイブリッドF 181.9万円〜
1.5ハイブリッドジュエラ 198.3万円〜
1.5ハイブリッドU 208.7万円〜
1.5ハイブリッドU スポーツ 223.7万円〜

 

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

「ヴィッツハイブリッド」はカタログ燃費こそトヨタのアクアに劣る部分がありますが、同じシステムを使っているため燃費性能や走行性能はアクアと同等です。

小回りもきき、市街地や田舎の狭路も気軽に走れることから、アクア以上に日常で使えるコンパクトカーに仕上がっています。

ヴィッツの売れ筋のグレードは価格も手頃で、装備もそこそこな「HYBRID F」。
最近のヴィッツの販売台数の4割以上を占める人気グレードです。

この「HYBRID F」をベースに必要に応じてオプションを追加するのが、価格的にも手頃でお買い得感があるのでオススメです。

 

実際の購入の際にはライバルとして、同社の「アクア」以外に「フィットハイブリッド」「デミオ(クリーンディーゼル)」「ノートe-power」などがライバルになります。

1社だけで決めるのではなく、しっかり試乗して「見積もりを取っておく」ことが大切です。
見積もりは本命の購入時、値引き交渉の時に有効な武器になります。

しっかりと見積もりを取って競合させ、販売店で良い条件を引き出しましょう。

あとは現在の愛車の査定を少しでも高くできるように工夫して、お得に愛車を手に入れましょう。

それでは、あなたが最高の愛車と出会えることを願っています。

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