次に購入する車は「やっぱり燃費の良い軽自動車から選びたい」と考えているあなた。
一時はコンパクトカーに燃費で大きく溝をあけられていた軽自動車ですが、現在ではメーカーの努力により、燃費の良い軽自動車が多数登場しています。
今回は2017年6月時点で新車購入できる、数ある燃費の良い軽自動車の中から、特に燃費に優れている5モデルをご紹介します。
カタログ燃費(JC08モード)と実燃費の違い
カタログ燃費「JC08モード」とは
カタログ燃費の計測方法は少しずつ変化しており、現在では「JC08モード」と呼ばれる測定方法が採用されています。
「JC08モード」の測定はシャーシダイナモ(ローラー台のようなもの)を使用して行います。
事前に走行抵抗を測定して、ユーザーの使用を想定した負荷を車体にかけ、実際の走行状態に近づける仕組みです。
ただし、このテストではエアコンや電装部品などの使用は想定していないため、カタログ燃費の良い車であればあるほど、実際に路上でユーザーが走行した際の燃費悪化が顕著に現れる場合があります。
「JC08モード」は、2011年(平成23年)4月1日以降に型式認定を受ける自動車に義務付けられたもので、下記のような基準が定められています。
平均速度 24.4km/h
最高速度 81.6km/h
所要時間 1204秒
走行距離 8.172km
ちなみに2011年(平成23年)4月1日以前は、もう少し基準のゆるい「10・15モード」が使用されていました。
なお、カタログ燃費は2018年10月から、国際基準の「WLTP」に置き換わる予定となっています。
JC08モード走行の特徴 引用元: JAF
実燃費とは
「実燃費」とは実際に走行した際の燃費です。
メーカーの公称値ではなく、ユーザーが実際に走ってみたデータになります。
通常、実燃費は複数の実燃費の平均となっています。
カタログ値(JC08モード)よりも1割程度の燃費悪化が一般的ですが、さらに悪くなることも、逆にカタログ値を超えることもあります。
使用用途や走行する環境(高速道路・都市部・市街地など)のほか、ユーザーの運転技術や装備品などで大きく変化するため、データは一例として考える方が良いでしょう。
軽自動車で最も低燃費の車はスズキ「アルト」
堂々の第1位はスズキ「アルト」とマツダ「キャロル」。
JC08モード「37.0km/L」です。
スズキ アルト 画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/
最も安い軽自動車での燃費勝負では、ベースグレードがJC08モードで27.2km/Lとなり、34.2km/Lのミライースに負けてしまったスズキのアルト。
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しかし、今回は各種燃費改善対策やマイルドハイブリッドを装備している中級グレード。
なんとJC08モード「37.0km/L」と堂々の一位です。
この数値は普通車のハイブリッドを含む、全ガソリンエンジン車両の中でもトップクラス。
これを上回るのはJC08モードではプリウス、アクア、ノートePower。
実燃費ではプリウスくらいのものです。
小型軽量であることで、軽快でスポーティーな走りも実現します。
また、最小回転半径が4.2mと、軽自動車の中でもトップクラスの取り回しの良さを持っており、狭い道でも気兼ねなく入っていけるという点は、運転に自信のないドライバーにも嬉しいところです。
各グレードにレーダーブレーキサポートを設定しており、安全面でも優れた性能を発揮します。
デメリットは小柄なボディの為、大柄な男性が乗車した際、頭上から天井までのスペースが狭く感じるところ。
たくさん荷物を積んだりする方にはお勧めできませんが、4ドアで荷台や後部座席へのアクセスも良く、日常の足としてなら申し分ない性能を持っています。
メーカーの目指したものは
「何気ない日常をちょっと素敵にする、そんな美しい“普通”」
アルトは実際にそれを体現したモデルと言えるでしょう。
スズキ「アルト」(マツダ「キャロル」)
排気量:660cc
エンジン出力:38kw<52PS>/6,500rpm
変速機:CVT
駆動形式:FF
JC08モード:37.0km/L
実燃費:23.5km/L
燃費達成率:63.5%
車両価格:894,240円(税込)から
OEM販売されている、マツダのキャロルも同様の性能を持っています。
燃費の良い軽自動車2位 ダイハツ「ミライース」
燃費の良い軽自動車の第2位はダイハツ「ミライース」、トヨタ「ピクシスエポック」。
JC08モード「35.2km/L」です。
ダイハツ ミライース 画像出典:https://www.daihatsu.co.jp
2011年9月に「第3のエコカー」として、当時の軽自動車最高の30km/Lを大々的アピールし、売り出されたミライース。
今回のモデルチェンジで大幅な軽量化を施し、さらなる「低燃費」・「低価格」・「安全・安心」を追求しています。
最小回転半径はコンパクトボディのアルトには劣りますが、4.4mと比較的小回りのきくサイズで、狭い道でも気負うことはありません。
座面の低いシートを採用しており、乗車した際の頭上から天井までのスペースは多少余裕があります。
しかし、軽量化したとは言ってもアルトに比べると20kgほど重く、パワーも3PSほど落ちるのため、走りの面ではもっさりとした部分が感じられるかもしれません。
高速道路での長距離移動や山道へのドライブについては、走れないことはないのですが、あまり楽しい車ではないでしょう。
そういった非日常をある程度切り捨てて、「日常の街乗りに専念する」なら、良い選択になりそうです。
ダイハツ「ミライース」
排気量:660cc
エンジン出力:36kw<49PS> ]/6,800rpm
変速機:CVT
駆動形式:FF
JC08モード:35.2km/L
実燃費:21.7km/L
燃費達成率:61.6%
車両価格:842,400円(税込)から
OEM販売されている、トヨタのピクシスエポックも同様の燃費性能を持っています。
燃費の良い軽自動車3位 スズキ「ワゴンR(ハイブリッド)」
燃費の良い軽自動車の第3位はスズキのワゴンR。
JC08モード「33.4km/L」です。
スズキ ワゴンR HYBRID FZ セーフティパッケージ
画像出典:http://www.suzuki.co.jp/car/
元祖「軽ハイトワゴン」、ワゴンRも健在です。
2017年春のフルモデルチェンジにより、新たなプラットフォームを採用しました。
マイルドハイブリッド搭載で、全高1,550mm以上の軽ワゴン車で2017年3月時点で最高燃費を叩き出したスズキ「ワゴンR」。
JC08モード「33.4km/L」の燃費性能もさることながら、室内の広さに加え、安全装備や各種も充実しています。
上級グレードのHYBRID FZ(135万円から)であれば、レーダーブレーキサポートの他に誤発信抑制機能も標準装備されており、年配者の方に多い「ブレーキとアクセルの踏み間違い事故」に対する警告を行うこともできます。
新型のプラットフォームの採用でホイールベースが拡大され、直進安定性と乗り心地が向上しています。
また、ホイールベースが拡大されているにもかかわらず、最小回転半径は4.4mとミライースと同等の取り回しの良さを持っているというのも魅力です。
「燃費は良いけど、アルトやミラでは大きな荷物が積めない」、「車内に圧迫感がある」と考えているなら、次の候補は間違いなくこの車でしょう。
ライバルはダイハツのムーブですが、ハイブリッドであればムーブよりも燃費も良く、後方視界も優れています。
値引き交渉の際には、ダイハツ店でムーブの見積もりを取り、値引き額を引き出しましょう。
スズキ「ワゴンR(ハイブリッド)」
排気量:660cc
変速機:CVT
駆動形式:FF
JC08モード:33.4km/L
実燃費:21.1km/L
燃費達成率:65.1%
車両価格:1,177,200円(税込)から
4位、5位「ハスラー」「ワゴンR(ハイブリッド以外)」 その他のメーカーは?
4位、5位には同じくスズキの「ハスラー」と「ワゴンR」のマイルドハイブリッドなしのモデルが続きます。
スズキ「ハスラー」
JC08モード:29.2km/L
実燃費:20.2km/L
スズキ「ワゴンR(ハイブリッドなし)」
JC08モード:28.4km/L
実燃費:20.1km/L
ここまでのランキングを見て気がつくのは、上位が全てスズキとダイハツで占められていることです。
2社ともに軽自動車をメインにしているメーカーだけあって、やはり1歩先を進んでいるんですね。
ちなみに他社では、7位にホンダ「N-ONE(JC08モード27.0km/L、実燃費18.8km/L)」。
8位で「N-WGN(JC08モード29.2km/L、実燃費18.3km/L)」が入っています。
まとめ
いかがでしたか?
軽自動車なら購入価格も比較的リーズナブルで、普通車のハイブリッドに匹敵する燃費性能を持ったモデルが登場しています。
低燃費で、走りも車内スペースも余裕がある定番トールワゴンの「ワゴンR」や、遊べる軽SUV「ハスラー」は人気もあって、乗り換え時の買取価格も期待でき、安心してオススメできます。
軽自動車はコンパクトである分、1台で全てをこなせるモデルを選ぶのは難しいかもしれません。
そんな時には「あなたの使用目的に応じた車」を選ぶことで、より快適なカーライフを手に入れることができるはずです。
もし、予算が少し厳しいなら、妥協して下のグレードを買うよりも、うまく値引き交渉をしたり、現在の愛車の査定を少しでも高くできるように工夫していきましょう。
それでは、あなたが最高の愛車と出会えることを願っています。
※記事中の車両実燃費は燃費のSNS「e燃費」のデータを参照しています。