自動車税が安く、車の維持費が抑えられる軽自動車の需要は、年々増加しています。
メーカーもユーザーのニーズに応えるべく、車内の空間を広くしたり、ボディカラーを豊富にしたりと、多様なユーザーが選べる工夫も見られるようになりました。
現在の軽自動車には昔のような窮屈さはなく、快適な車になりつつある軽自動車ですが、もうひとつ大きな変化が生まれたのをご存知でしょうか。
実は軽自動車のナンバープレートが従来の黄色のみでなく、白色にすることもできるようになりました。
今回は新しく導入された、ご当地ナンバーについてや軽自動車の白ナンバー取得方法について詳しく見てみましょう。
軽自動車はなぜ黄色ナンバーなのか
そもそもなぜ、軽自動車は黄色ナンバーなのでしょうか。
大きな理由は、昔の軽自動車に関する特殊な交通制度の影響です。
以前は軽自動車の車検義務付けがなかったり、軽自動車免許があったりと、普通車と差別化する必要がありました。
現在は一部の商用ナンバーの軽トラックやバンを除き、多くの軽自動車は快適装備の追加や内装も豪華になりました。排気量による走行性能やサイズからくる乗り心地を除けば、5ナンバーのコンパクトカーと比べても、あまり遜色のない車に仕上がっています。
また、ユーザーの嗜好も変化し、経済性だけでなく取り回しの良さなどであえて軽自動車を選ぶユーザーも増え、それなりの装備と性能を持っていなければ、売上にも影響するようになっています。
そう考えると現在の交通ルールで、軽自動車が黄色ナンバーである必要性はだんだんと薄れつつあるのです。
軽自動車でも白いナンバープレートをつけられるメリット
2017年から新たに導入された、ラグビーワールドカップや東京オリンピックの記念ナンバーで、ついに軽自動車でも白ナンバーが認められることになりました。
これは一部の軽自動車のドライバーにとって、待ちに待ったという方も多く聞きます。
実際、趣味で軽自動車を愛好する方にとって、せっかく外装を自分好みにカスタマイズしても、黄色ナンバーだとなんだかデザインに違和感があると感じてしまい残念な気分になることが多いようです。
つまり軽自動車の場合、デザインの中にどうしてもナンバープレートの「黄色」という差し色が強制的に入ってしまい、せっかくブラックやグリーンなどのシックなボディーカラーを選択しても、黄色のナンバーだけが主張し浮いてしまうという懸念が発生していました。
そうした、軽自動車のドライバーが持つコンプレックスの解消に、今回の図柄ナンバープレートの交付は非常に魅力的なものです。
そうしたメリットもあり、徐々に装着するドライバーは増えています。
例えば、こちらの写真はホンダの軽ミッドシップスポーツカー「S660」です。
上はカタログやホンダの公式サイトでも掲載されている写真ですが、実際には下の写真のように黄色のナンバープレートになるのです。
Twitterなどでもよく聞くのですが、「軽自動車」自体にコンプレックスがない方でも、日本の軽自動車に装備される黄色のナンバープレートはデザイン的に気に入らないという方は多いようです。
S660コンセプトカーの映像とかみて胸膨らませているのだけど、(待てよ…軽だし…これに…あの黄色いナンバープレートが付くんだよな…)と気付いてしまった…!!!ナンバープレートが黄色なだけで恐ろしくデザイン性下がるわよね…
— うさ (@lovex2_usa) 2014年12月26日
あと、黄色いナンバープレートな(苦笑) RT aoa30: S660の小さなリアウィンドウに不格好なエコカーステッカーがでかでかと貼られているの、日本の無神経な自動車行政の限界って感じがする。 pic.twitter.com/6CEprxyoTs
— PUNKY™✈ (@punky_01) 2015年3月31日
早速交換された方もいらっしゃるようです。
S660のナンバープレート、白色に替えました。
ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート。
軽自動車も白色ナンバーに変更可。だいぶ車の表情が変わりました。
オリンピックでも特別仕様プレートが出るようなので、
デザインによっては、また変えようか。 pic.twitter.com/YtxX3RKB8s— Yasuyuki Amano (@bcnr33amano) 2017年5月27日
軽自動車に白いナンバープレートを装備するデメリット
白ナンバーに変更できることのメリットは主にデザイン面だけではあるのですが、メリットの裏では、若干トラブルも発生しています。
S660って軽自動車だったはず?
わしが無知なだけで…
そんなグレードが存在するのかな?
ナンバープレートの色が黄色じゃなくて、白いのは間違いない…
軽自動車もナンバープレートは白なったのか? pic.twitter.com/IHdM6XG8D2— サイトウハン (@3142Eftain) 2018年4月10日
それは、上のツイートのように「高速道路など有料道路の有人料金所」でも普通車と間違われてしまう事です。
一般的に「軽自動車は黄色ナンバー」という事が、広く浸透しているため、一目見ただけでは判断できない場合が多く、混乱が生じているようです。
オートバイに乗られているかたが有料道路の通行区分で、400ccの中型バイクでも車体が大きかったため、料金所で750cc以上の料金を請求されたりするのと同様の事例です。
ETC対応の料金所なら、登録されているデータで通信するため、全く問題ありません。
しかし、料金所の係員や警察官も全員が図柄ナンバーのことを知っているわけではないようですので、誤って注意を受けることもあるということもあると認識しておく必要はあります。
もし料金所で普通車料金を提示されたら、冷静に軽自動車の図柄ナンバーである事を主張し、間違った料金を支払わないようドライバー側も気をつけておきましょう。
また、もうひとつのデメリットは通常の黄色ナンバーの取得費用に加えて、白ナンバー発行には追加のお金がかかる事です。
そうした部分を踏まえ、次項で取得方法などを詳しくご説明します。
実際に白いナンバープレートを取得する方法
気になる図柄ナンバープレートの申請方法ですが、図柄ナンバープレートには大きく分けて3種類があります。
どの種類も簡単にできますので、自分のお好みで選んで楽しみましょう。
1.ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバー
ラグビーナンバーとは、2019年に開催されるラグビーワールドカップを記念した、特別仕様のナンバープレートです。
4年に一度の世界大会で、アジアで開催されるのは初めてという事もあり、すでに盛り上がりをみせていますね。
こちらのナンバープレートは、申し込み期間が決まっている期間限定ものです。
すでに2017年2月13日から受け付けが始まっており、順次交付されています。
締め切りは2019年11月29日となっておりますので、気になる方はお早めにお申し込みすることをオススメします。
こちらのナンバーは交付手数料が必要で、料金は「7000円から」となっており、地域によって多少異なります。料金などの詳細については、お住まいの地域の運輸局・運輸支局等に問合せいただくことで確認が可能です。
下記のリンクを参考にしてください。
一般社団法人 全国自動車標版協議会 図柄ナンバー申込サービス
さらにラグビーナンバーは、上記手数料にプラス1,000円以上の寄付をすると、カラーデザインの図柄入りナンバーを選択することができます。
寄せられる寄付金は、大会開催を支援する事業に役立てられるようです。
寄付金を払わない場合は、大会ロゴが小さくついただけのシンプルなデザインになります。
なお、寄付金を払ってもシンプルな方がよければ、選択することも可能です。
単純な白ナンバーが希望な方はこちらがオススメですね。
お申し込み方法は、ご自分でWebからアクセスする方法のほか、お近くのディーラーや整備工場に直接相談する方法があります。
2.東京オリンピック特別仕様ナンバー
オリンピックナンバーとは、2020年に東京で開催されるオリンピックを記念した、特別仕様のナンバープレートです。
こちらも申し込み受け付けはすでに始まっており、受け付け締め切りは2020年9月30日を予定しています。
ラグビーナンバーのように、交付手数料が必要で、金額も地域によって異なりますので下記のリンクを参考にしてください。
https://www.graphic-number.jp/html/GKAA0502.html
寄付金によって図柄入りが選べる点も、ラグビーナンバーと同様です。
申し込み手続きも、ラグビーナンバーと同様になりますので、上記を参考にしてください。
3.ご当地ナンバー
最近受付が始まり注目されているのが、ご当地ナンバーです。
2018年10月より「地方版図柄入りナンバープレート」が発行されており、該当する41地域にお住まいの方が対象です。こちらのプレートには、その地方の象徴となるような図柄がプリントされています。
四国4県のご当地ナンバー
どれも地域で自慢したい風景や観光資源を図柄にしており、個性的で魅力がありますね。
これまでは50ccの原付であったご当地ナンバーが、車用としても製作された形です。
公用車などに装備されていることも多いようですが、一般の方でも申し込みが可能です。
地域の魅力などをアピールする「走る広告塔」となり、地域活性化にもつながるといいですね。
申込期限は特にありませんが、こちらの申し込みにも交付手数料がかかり、1000円以上の寄付金で図柄をカラーにすることが出来ます。
また、2020年以降には新たに17地域も導入予定です。
申し込み方法は、ラグビーナンバーなどと手順は同じです。
ただし、ご当地ナンバープレートは管轄地域毎での申し込みとなるため、居住地と違った地域の図柄は選ぶことはできません。
どうしてもお気に入りのナンバーにしたい場合、そのナンバーを交付するエリアに引越ししたり、一時的に住民票を移さなければなりません。
可愛らしいデザインを好む方にとっては、個人的には絵柄が選べないのはちょっと残念です。
ちなみに私が住む高知県も、ご当地ナンバーの対象地域となっており、高知県を象徴するはりまや橋とカツオがデザインされています。
私の妻は岩手出身のため、銀河鉄道のプレートがお気に入りのようです。
これからも様々なデザインのプレートをつけた車が見られるかもしれませんので、今後の動きに期待しましょう。
図柄ナンバープレートのWeb申し込み方法
Web申し込みでは、まず氏名やメールアドレスなどを入力して送信します。
送信すると正式な申込フォームへのリンクを記載したメールが届きますので、必要事項を入力しましょう。
あらかじめ連絡先情報のほか、所有している車両の情報も必要になるため、車検証を用意しておくと入力がスムーズになります。寄付をしたい場合は寄付情報も入力してください。
申込フォームに記載して送信をすると、費用の入金の仕方と、ナンバープレートの受け取り方法などが記載されたメールが届きます。
費用の支払いは銀行振り込みで行なうことができます。
フォームで申込を行なってから10日以内に入金しないと、交付が取り消されるため気をつけましょう。
入金確認の後、ラグビーナンバーが準備されたことを知らせる通知メールが届きます。
ラグビーナンバーの受取は、所轄の陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)にて行われます。
受け取りに必要な物については、通知メールに記載されていますので、きちんと確認し忘れず持参しましょう。
なお、現地での旧ナンバープレート取外し、新ナンバープレートへの交換作業はご自身で行うことになります。現地で道具を貸してもらえることもあるようですが、念のためマイナスドライバーと大きめのプラスドライバーを持参すると良いでしょう。
ナンバープレートの取替後、係員に封印をしてもらって完成となります。
まとめ
このように軽自動車の白ナンバーは誰でも気軽に行うことができます。面倒な方は行きつけのカーショップでのお申し込みもできますし、WEBからお申し込みも行うことができるようになっています。
ナンバープレートも気軽にカスタマイズできる時代がきています。
ぜひ、あなたのカーライフがもっと素敵なものになるように、ナンバープレートも自分のお気に入りの図柄に変更し、愛車をカスタマイズを楽しんでみてください。